お客様
男性 40代 和歌山市在住
来院
2018年5月
お悩み・症状
昨年11月頃から左肩甲骨の辺りと左上腕後面に痛みが出始め、左手の母指、示指、中指にしびれを感じていた。
そのうち治るだろうと放っていたが症状は悪化し、12月に入るころには仕事にも影響が出始めたため整形外科を受診した。
整形外科で検査をしたところMRIでは目立ったヘルニアは確認できなかったが、レントゲンでみると頚椎6~7番間が僅かに狭くなっており、首を後ろに反らすと左肩甲骨、左上腕が痛み、指にしびれが出現するといった症状から頚椎ヘルニアと診断され、痛み止めとしてロキソニンとリリカを処方された。
痛み止めを飲みながら仕事を続け、4月頃には指のしびれはあったものの、肩甲骨の痛みはかなり和らいできた。
しかし、5月に入り再び症状が悪化。
再び整形外科を受診しようとしたが、より強い痛み止めを処方されるだけだと考え、昨年末からネットを見て気になっていた当院で一度見てもらおうと思い来院した。
施術内容と経過
初見時、背中を丸め、首を前に突きだし顔は斜め下を向き、目線だけで前を見ていた。
聞くと、真っすぐ前を向くのも痛みが強く、反らすと更に痛みが増すとのこと。
カウンセリング中、椅子に座ってもらっていると、痛みをごまかすためフラフラと前後左右に身体を動かしていた。
検査すると、前後屈でも上半身を出来るだけ動かさないようにしていた。
首の動きをチェックした所、屈曲と伸展ともに可動域が悪くなり、左右では左に倒した時に可動域の悪さがみられた。
頚椎ヘルニアの徒手検査としてジャクソンテストとスパーリングテストを行うと、ジャクソンテストで指のしびれが増悪した。
しびれに対して胸郭出口症候群の可能性もあるため、いくつかテストしたところモーリーテスト、エデンテストで陽性が確認された。
さらに肩甲骨や腰椎も検査すると、可動域が悪くなっていた。
体のゆがみにより筋肉や神経に血液・酸素がうまく行き渡らなくなり、可動域が悪くなったことで頚椎ヘルニアや胸郭出口症候群、背中の痛みといった症状が出現したと考えた。
まず体のゆがみを整えるため、頸椎調整と骨盤調整を行った。
初回施術終了後は僅かに姿勢も良くなり、若干ではあるが頭の位置も正常に近づいた。
しかし、痛みとしびれの状態は変わらなかった。
2回目以降は体液循環調整と肩関節調整を加え、肩甲骨の可動域を調整した。
徐々に施術前から姿勢も良くなり始め、5回目には顔が真っすぐ前を向き始めた。
この5回目から痛み止めはもう飲んでいない。
8回目には施術前からほぼ正常な姿勢に改善されてきた。
肩甲骨の痛みは、安静時痛を1日に数回感じる程度まで減弱してきた。
それに伴い仕事への支障も減ってきているが、右を向いて会釈するといった特定の(左首から背中を伸ばすような)動作をすると肩甲骨部分や上腕に痛みが走る。
首の可動域をチェックすると、ほぼ正常に近い状態。
腕を後ろに動かすとしびれが増悪した。
ゆがみの状態は安定しつつあったので、週に1回のペースに切り替えて施術しながら経過をみた。
14回目には肩甲骨の痛みはほとんどなく、2週間に1、2度ふとした時に感じる程度になっていた。
手のしびれがまだ残っていたので、斜角筋や小胸筋に対してのアプローチをメインにしながら2週間に1回のペースに切り替えて施術を続けた。
その後20回目には、疲れが溜まった際に一瞬肩甲骨に痛みを感じたり、ピリッと指のしびれを感じることはあるものの、仕事に影響は出なくなった。
ゆがみが安定し血液・酸素の循環、体各部分の可動域が正常になったことで以前のような痛みは消え去り、お客様の要望が達成されたため卒業としても良かったが、今後再びあのような痛みを感じたくないというので、引き続き2週間に1回体の状態をチェックしていくこととなった。
同時に施術した症状・お悩み
なし
施術方法
頸椎調整2種 骨盤矯正 肩甲骨調整 頸部筋調整 肩関節周囲筋調整
考察
今回のお客様のように、病院で診断された以外にも症状の原因があるケースは非常に多い。
処方箋や手術をしても全く改善しないか、もしくは軽減されたが症状が残っている場合、まずこのケースを疑うべきだと考える。
他の医療機関で診断を受けていたとしても、改めて自身の手で検査をし、フラットな目で体の状態を見ることで、診断された症状以外の要因に気付くことができたのだろう。
あとはそれに対して適切な施術を積み重ねていけば、必ずお客様の顔に笑顔が戻るだろう。
それが施術家としてやるべきことだと私は考え、未だ見ぬお客様のためにこれからも日々勉強を積み重ねていく。
執筆者
廣井整体院
永井純平
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廣井整体院でございます。